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ワインとの付き合いは純粋で深遠│ワインに魅せられた男(愛すべきワインバカ!)たち

ワインとの付き合いは純粋で深遠│ワインに魅せられた男(愛すべきワインバカ!)たち

薀蓄を聞くとパフォーマンスは上がる

薀蓄を聞くとパフォーマンスは上がる

 サイバーエージェントを立ち上げたのが、ワインブームまっただなかの1998年。ITバブルとも重なり、20代からワインを飲み始めていた藤田氏だったが、本格的に虜となったのは3〜4年前のこと。大人気のワイン漫画『神の雫』を読んだのがきっかけという。
 「ブログに『神の雫』のことを書いたら、知り合いから原作者の亜樹直さんを紹介されたんです。さすがに亜樹さんの蘊蓄はすごいんですよね。その蘊蓄を聞きながら、いろいろなことをイメージしてワインを飲むと、美味しさが確実に増すんですよ。もしかしたら5割くらいパフォーマンスが上がるんじゃないですか? 蘊蓄でワインのパフォーマンスが上がることはわかったけれど、自分で覚えるのは大変ですから、今、家内を週に1回ワインスクールに通わせています(笑)」
 20代の時分はシャトー・ラトゥールやシャトー・マルゴーなど、いわゆる5大シャトーと呼ばれる著名なボルドーを好んで飲んでいたという藤田氏。ブルゴーニュに傾倒するきっかけはこれも『神の雫』。亜樹さんから「'85年のロマネ・コンティを飲めば人生が変わる」と聞かされ、苦労の末に入手したことに始まる。正直、人生までは変わらなかったが、さらにもう1本、とびきりのワインに出合ったことが、ブルゴーニュの沼に足を踏み入れる契機となった。それは、“ブルゴーニュの神様”と謳われた銘醸家、故アンリ・ジャイエのリシュブール1959年だ。
 「しばらく言葉を失って、あたりがシーンと静まり返りました。これはいったい何だと。今まで経験したことのない、甘美な香りと味わいで……。方々を探してようやく1本見つけたんです」
 藤田氏のコレクションがブルゴーニュ中心になるのは、実はこれらのワインが特殊な市場でしか流通しておらず、レストランでも容易に飲めないからだ。
 「レストランで飲めるなら自分で買う必要はない。でも難しいですよね、ブルゴーニュは。同じ畑、同じ造り手、同じヴィンテージなのに当たり外れがあるでしょう。今はある方にお願いして、業界のコネクションでコンディションのよいものを見つけていただいてます」
 ブルゴーニュ沼にどっぷりの藤田氏。この深みから這い上がるのは既に手遅れのようである。

さるコレクターから購入したワイン

さるコレクターから購入したワイン。ブルゴーニュが中心だが、飲み頃を迎えたボルドーも。

ワインの奥深さを知った漫画『神の雫』 ワインの奥深さを知った漫画『神の雫』

漫画喫茶を目指したという、漫画が壁一面にギッシリのリビングルーム。その書棚の一角には、藤田氏をブルゴーニュの沼に引きずり込んだワイン漫画『神の雫』が並ぶ。原作者の亜樹直氏とは今やワイン仲間といい、時々一緒にワインと食事を楽しむのだとか。

[My Favorite Wine List]

[リシュブール1959 アンリ・ジャイエ]

ワインの魅力に目覚めた1本、宝物といえる決定的な1本

[リシュブール1959 アンリ・ジャイエ]

¥2,000,000前後

“ブルゴーニュの神様”アンリ・ジャイエは4年前に他界し、高騰ぶりに拍車が。

[ロマネ・コンティ1985]

宝物といえる決定的な1本

[ロマネ・コンティ1985]

¥2,000,000前後

泣く子も黙るワインの王様。'85年ともなれば7ケタ台のお値段。

[リッジ・モンテ・ベッロ](右)|[モンラッシェ・ルイ・ラトゥール](左)

最近の特にお気に入り

[リッジ・モンテ・ベッロ](右)

約¥20,000

[モンラッシェ・ルイ・ラトゥール](左)

¥40,000前後

リッジは著名ボルドーも打ち負かしたカリフォルニアの雄。モンラッシェはアレクサンドル・デュマが「跪いて飲め」と言ったブルゴーニュ白の頂点。

*ワインの価格は編集部調べ。年代を表記していないものはここ10年の平均価格で表示しています

Text=柳 忠之 Photograph=大森 直
*本記事の内容は10年3月取材のものに基づきます。価格、商品の有無などは時期により異なりますので予めご了承下さい
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