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大切な人々との縁を広げてくれる「靴」

“人と才能を呼び込む”おいしい自己投資。
縁を広げる美しい「靴」

  • 案内人
    建築家
    丹下憲孝
    1958年生まれ。スイスのル・ロゼ、ハーバード大学大学院建築学専門課程修了後、85年に丹下健三・都市・建築設計研究所入所。2002年丹下都市建築設計を設立。


中央の前後2足はビスポークとプレタポルテのベルルッティ。日本に上陸した当時からブランドアンバサダーを務め、記念すべき国内での第1回クラブスワンにも参加した。右端のコルテはアトリエがパリの定宿の前だったことがきっかけ。ブランドを離れ、アーティストになったクリストフ・コルテとは今も親交が続く。左端のユニークなカバ革はステファノ・べーメル。本人と意気投合し、日本進出時の店舗も担当した。それもなんとクリエーター同士の物々交換で、設計料の代わりに生涯靴を作ってくれる約束だった。コレクターの多くがブランドの定番靴を集めるのに対し、すべてが丹下氏の好みやスタイルで統一されている。真の靴愛好家なのだ。

靴自体もさることながら、そこでの出会いや広がりが私にとって靴の魅力だ、と建築家の丹下憲孝氏は言う。

「靴職人はじめ、その靴を愛する音楽家やクルマのデザイナー、マルチクリエーターといった方たちとの出会いは、日常やビジネスでは得られません。そうしたつながりは長く続き、とても大切なもの。これを投資というかはわかりませんが、縁を広げてくれる道具でもあります」

ベルルッティ、コルテ、ステファノ・べーメルなどいずれも作り手と友人のように付き合い、クリエーターとして互いに刺激し合って一緒に作り上げた。どれも個性的でありながら、丹下氏らしいのはそのためだ。

「靴はまず履きやすくなくてはいけないし、なおかつ美しくなくてはいけない。それは建築にも通じ、それも靴に惹かれる理由なのでしょうね」と微笑む。 

選りすぐりの愛用靴を前にした丹下氏は、まるで知己(ちき)の旧友と語らうよう。作り手ひとりひとりの顔が浮かび、それぞれに刻まれたシワに過ぎた時が蘇(よみがえ)る。

「どれももう10年以上の付き合い。大切に手入れして、ずっと履き続けたいと思います」

そこに美しき想いが宿る。建築家と靴の理想的な関係だ。

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Text=柴田 充 Photograph=滝川一真

*本記事の内容は17年11月取材のものに基づきます。価格、商品の有無などは時期により異なりますので予めご了承下さい。 14年4月以降の記事では原則、税抜き価格を掲載しています。(14年3月以前は原則、税込み価格)

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