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[最終回]さだまさしホテルプラザ最後の夜

酒の渚 さだまさし 最終回
『さようならホテルプラザ』
『マルコポーロ』最後の夜

『さようならホテルプラザ』

『マルコポーロ』最後の夜

一九九九年三月三十一日に日本でも屈指の名ホテル一だった大阪の『ホテルプラザ』の廃業が決まった。

仲良しのフロントマン、小出文隆君が電話の向こうで嗚咽しながら僕にそう告げた。

理由は色々あっただろう。

経営母体の朝日放送は、当時テレビ放送のデジタル化に向けた莫大な設備投資が必要だったし、全飲食店舗が直営という、老舗旅館のような質の高いサービスをホテルで維持するには人件費もかかる。

その上建物自体も開業から三十年という老朽化に加え、一九九五年の阪神淡路大震災によるダメージも大きかった。

こうした様々な複合的理由から廃業が決まったのだ。

僕は廃業当日の三月三十一日に宮崎でコンサートの予定。当時コンサート先へは不測の事態を考慮して前日移動と決めていたが、ここだけは、と大好きだった『ホテルプラザ』での最後の夜を選び、当日飛行機で宮崎に入る事にした。

廃業前々日の二十九日に仲間七人とホテルにチェックインをして、夜メインバー『マルコポーロ』に繰り出す。

盛り上がっていると、バーの仲の良いスタッフがしきりに翌三十日の僕の仲間の人数と来店時間を気にする。

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Illustration=粟津泰成(YASUNARI AWAZU)

*本記事の内容は17年9月取材のものに基づきます。価格、商品の有無などは時期により異なりますので予めご了承下さい。 14年4月以降の記事では原則、税抜き価格を掲載しています。(14年3月以前は原則、税込み価格)