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さだまさし 十津川村 鮎と酒と恩返し

酒の渚 さだまさし
十津川村のアマゴ酒

十津川村(とつかわむら)のアマゴ酒

「レンタカーが来ております」ホテルのフロントからの電話で飛び起きると午前九時前だった。

もう十年以上も昔の思い出。

「鮎を食べに行こう」と、昨日は親友の山口保と平山裕一と舘野晴彦を誘って京都・嵯峨野鳥居本の老舗の名料亭『つたや』に繰り出して、旨い料理と鮎をたらふく食べた。

『つたや』の料理はとてつもなく旨いが、出る酒がまた旨い。

お店の人が「北山」と呼ぶ、この辺りの小さな蔵元の酒で、一年分の酒をこの辺りの五軒ほどの料理店で飲んでしまうから他では手に入らない。

旨い料理に旨い酒とくるから、いつもつい飲みすぎる。

それからみんなで大阪へ出てホテルで飲み直したのだ。

本当は今日から一週間、東京のスタジオに籠もって曲作りをする予定だったのだけれど、どうにも頭が動かないので、とうとう京都まで逃げた。

それで強引に休みをつくり、大阪からレンタカーを借りて、独りで紀伊半島を一周することにしたのだった。

きっかけは単純だ。

僕は地図を描くのが得意なのだが、数日前の夜、ベッドに入ってから頭の中で描こうとしても紀伊半島が描けなかったのだ。そういえば久しくゆっくりと紀伊半島を歩いたことがなかったなと思った。

それで大阪のホテルから一人でレンタカーを運転してまず十津川村を目指した。

十津川村には恩があった。

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Illustration=粟津泰成(YASUNARI AWAZU)

*本記事の内容は17年8月取材のものに基づきます。価格、商品の有無などは時期により異なりますので予めご了承下さい。 14年4月以降の記事では原則、税抜き価格を掲載しています。(14年3月以前は原則、税込み価格)