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松浦が仕掛けるアーティストの投資契約

素人目線 松浦勝人の生き様
──僕が投資すべきビジネス──

僕らは出資をするといっても、経営を握ろうなんて考えていない。感覚ピエロの場合は、自分たちの好きにやっていいよ、必要な時は協力もする。その代わり、ライブをする、ファンクラブをつくる、グッズを販売するという時は、エイベックスのインフラを使ってねと、それだけ。感覚ピエロは音楽に集中できて、今までとは規模の違う挑戦もできるようになる。僕らもインフラを使ってもらうことでメリットがある。

感覚ピエロへの投資がうまくいったら、ライブハウスで頑張っているロックバンドも、アーティスト契約じゃなくて、投資契約を結びたいと考えるようになるだろう。ひょっとしたら、日本の音楽界の流れを変える投資になるかもしれない。

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エイベックスは、レコード会社が中心になり、著作権を管理するため音楽出版社をつくり、ライブをやるためにライブ運営会社をつくりというように拡大し、自前の音楽インフラを築くところまできた。すべてはレコード会社を支えるためだった。ところが、音楽を取り巻く環境の変化に対応していくにつれ、レコード会社中心の構図から変化して、自社の音楽インフラが強く、大きくなっていった。社長に就任して以来、どこに出口があるのか、いつも考えてきた。

だったら、音楽インフラを開放して、骨のあるやつを見つけて、資金を支援し会社をつくらせ、新しい音楽をどんどん世に送り出してもらう。アーティストを抱えるのではなく、投資をする。これが、僕の"エグジット"なのかもしれない。

  • Masato Matsuura
    エイベックス・グループ・ホールディングス代表取締役社長CEO。1964年神奈川県生まれ。日本大学在学中に貸しレコード店の店長としてビジネスを始め、以降、輸入レコードの卸売り、レコードメーカー、そして現在はエンタテインメント全域に事業を拡大中。

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Text=牧野武文 Photograph=有高唯之

*本記事の内容は17年3月取材のものに基づきます。価格、商品の有無などは時期により異なりますので予めご了承下さい。 14年4月以降の記事では原則、税抜き価格を掲載しています。(14年3月以前は原則、税込み価格