ゲーテ いま、一番気になる仕事 - 連載

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いま、一番気になる仕事
滝川クリステル いま、一番気になる仕事 Redefining The JOB Special Vol.32 スペシャル対談 HASUNA代表取締役兼チーフデザイナー白木夏子 × 滝川クリステル

滝川クリステル いま、一番気になる仕事 Redefining The JOB Special Vol.32 スペシャル対談 HASUNA代表取締役兼チーフデザイナー白木夏子 × 滝川クリステル

日本初である宝石のフェアトレードで、悲劇ではなく、笑顔を生み出す エシカルジュエリー(紛争や児童労働とは無縁で、環境にも配慮した素材を使ったジュエリー)ブランドHASUNAを設立した白木夏子さん。女性たちの間で広まるエシカルの概念や、途上国の問題をビジネスの観点からお聞きしました。 白木夏子 × 滝川クリステル

美しい宝石に悲しい表情は似合わない
滝川 私、婚約指輪フェアトレードのものってずっと前から決めているんです。自分が買うものではないのに(笑)。

白木 クリステルさんは、HASUNA南青山本店がまだオープンして間もない頃に遊びに来てくださったんですよね。

滝川 2年ほど前ですね。白木さんが設立されたHASUNAは日本初のエシカルジュエリーブランドで、「ジュエリー×エシカル」の概念はもちろん、同世代の女性が創業したことにも驚きました。なぜこの事業を手がけようと思われたのですか?

白木 10代の終わりに、途上国の支援活動をしたいと思うようになったんです。その後ロンドン大学で国際開発学を学び、将来は国際協力に携わるべく、卒業後に半年間、国連インターンの活動をしたのですが、実際に現地で活動をしているうちに、考えが変わっていったんです。というのも、国際貢献という形で援助に真剣に取り組んでいる人は、地球全体の人口の1%にも満たない数です。その人たちだけがどんなにがんばっても、残りの99%を巻きこまなければ、世界は変わりませんよね。

滝川 本当に、そうですね。

白木 では多くの人にとって共通する興味は何かといえば、やはりお金やビジネスだと思います。そこで援助ではなく、パートナーとして対等な立場で、途上国の人たちと一緒に笑顔になれるようなビジネスを始めたいと考えるようになりました。

滝川 その頃は、まだジュエリーに的を絞って考えていたわけではなかったんですか?

白木 はい。ロンドン大学に在籍中にインドのカースト制度が根強く残る村を訪問して、アンタッチャブル(不可触民)と差別され貧しい生活を送りながら、悲惨な労働環境にある鉱山採掘現場で働く子供たちの姿に衝撃を受けました。こうした貧困層へ適切にお金が流れる仕組みを作りたいと思いつつ、当時はまだどのような形にすればいいのか迷いながら帰国。ビジネスの仕組みを学ぶために不動産投資ファンド企業に就職しました。その分野での起業も考えていたある日、付き合っていた彼と何気なく指輪を見ていたらこう言われたんです。「ダイヤモンドは買いたくない。汚れたダイヤがあるかもしれないから」って。

滝川 いわゆる紛争ダイヤやブラッドダイヤモンドのことですか。詳しい方だったんですね。

白木 今の主人なんですけれど。その時、かつて見た子供たちの疲れ切った暗い表情を思い出して。実際は2003年にキンバリー・プロセス(輸入貿易管理令)の施行以降に流通しているダイヤはほとんどが健全なものとなりました。でも途上国の人たちの貧困や犠牲の上でビジネス取引されている宝石がまだまだ多いのは事実。思えばそれが、エシカルジュエリーでの起業を考え始めたきっかけですね。

滝川 ジュエリーって人の想いが込められるものですよね。夫婦や恋人の愛の象徴だったり、親から子へ受け継がれる宝物であったり。「だからこそ関わるすべての人が笑顔で輝けるようにしたい」という考え方には本当に感激したのをおぼえています。

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