ゲーテ いま、一番気になる仕事 - 連載

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いま、一番気になる仕事
滝川クリステル いま、一番気になる仕事 Vol.05|Redefining The JOB Special|スペシャル対談 長谷川閑史/武田薬品工業 代表取締役社長×滝川クリステル

滝川クリステル いま、一番気になる仕事 Vol.05|Redefining The JOB Special|スペシャル対談 長谷川閑史/武田薬品工業 代表取締役社長×滝川クリステル

真のグローバル化の鍵は企業精神を維持すること。

真のグローバル化の鍵は企業精神を維持すること。

滝川 まずは、やはり今、大きな注目を集めているいわゆる「2010年問題」についてお聞きしたいのですが。「2010年前後に大型医薬品(=ブロックバスター)の特許が一斉に切れ、武田をはじめ各製薬企業の収益に重大な影響をもたらす」と言われています。長谷川社長はこの問題をどのように捉えておられますか?

長谷川 製薬産業だけではなく、いろいろなイノベーション(=技術)に特化した産業のテクノロジーの発展は「横向きのSカーブを描く」と言われています。そして製薬企業の場合は、ちょうど今、その「端境期」にあるんですね。これまでの医薬品、いわゆる低分子のテクノロジーに基づいて作られてきた薬が、これまで市場の約85%を占めてきた。ただ、それもだんだん成長の限界に達してきた。しかし、それに代わって、将来性があると言われている再生医療や核酸医療のテクノロジーはまだ、実際に製品を市場に送り出すまでには至っていないと考えています。

滝川 つまり、それが「テクノロジーのS型カーブの端境期」というわけですね。

長谷川 おっしゃるとおりです。そして、そんな状況のなかで、'90年代に出た大型製品の特許が、日本だけでなく世界市場の4割以上を占めているアメリカで切れる。すると3〜4ヵ月の間に他社の安いジェネリック(=後発医薬品)にとって代わられてしまう。そこから「2010年問題」というのが言われたわけですが、私はこの“テクノロジーの壁”は必ず、時間とともに「どこかがブレイクスルーして、それに多くが追随していく」という形で解決されると考えています。そして武田としては、やはりその先頭集団でいたい。そのために現在、いろいろな努力をしています。

滝川 ちなみに、いつ頃から「2010年問題」への対策をとられていたのですか?

長谷川 2000年、つまり10年ぐらい前からやっています。というのも、医薬産業というのはIT産業と対極で、サイクルが非常に長いんですね。IT産業では1〜2年のサイクルで回っていきますが、薬の場合は、研究を始めてから最終的に市場に商品が出るまでに、10年以上かかることはザラです。ですから、逆に言えば、10年前の自分のところのパイプライン(=研究開発中の製品)を見れば、10年後の可能性がある程度予測できる。そして大型製品の特許が切れた時には、それを補うに十分なパイプラインを持つか、他社の製品を買ってくる(=ライセンスインする)か、M&Aをするか、この3つの方法しかない。うちはその3つを全部やったんですけれども、開発中の製品がなくなったり、大幅遅延したりということもあり、今回は残念ながら、それでも十分ではなかったわけです。

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