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今月のベストセラー

今月のベストセラー

「告白」
娘を校内で殺された女性教師は、終業式の日、自らの退職を告げると同時に「犯人」である少年たちに復讐を言い渡す。事件に関わる人間たちがモノローグ形式で語る内容から、真実が浮かび上がっていく。
「告白」

「告白」

湊かなえ 著|双葉社 ¥1,470
湊かなえ 著|双葉社 ¥1,470
 昨夏に発売された作品だが、年末恒例の各種ミステリーランキングで上位にランクインし、ベストセラーとして息を吹き返した。これがデビュー作とは思えないほどの出来栄えゆえ、ランキング結果は当然だ。
 一人娘を校内で、しかも受け持ちクラスの生徒に殺された女性教師が、退職を前に生徒たちの前で語る独白から始まる。以降、関係者のモノローグ形式で真相が徐々に明らかになっていくが、気が滅入るストーリー展開なのに、テンポのよい文章に助けられ、あっという間に読める。モノローグという手法は別に珍しくないし、途中「これは『バトル・ロワイアル』の亜流だろうか」と感じる箇所もなくはない。しかし、少年犯罪や教育現場への問題提起を著者が企んだのだとすれば、それは書かざるをえないディテールだったのだろう。
 正義とは何か。復讐は罪か。子どもは本当に無垢な存在なのか。正解を提示するほど、著者はヤボじゃない。辛らつな女性教師の独白に何度も笑ってしまった評者は、そんな著者の誠実さに胸を打たれた。
樺山美夏=取材・文 江森康之=写真
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