経営者への数々の取材中、この人の名前を何度も聞いた。彼らが「北山さん」と言うその口調には愛情と畏敬がこもっていた。いったい彼らは「北山さん」から何を学んでいるのだろうか……?
北山孝雄さんは大阪人だ。仕事の本拠を東京に移して40年以上になるが、今も大阪弁が抜けない。抜けないのではなく、抜かないのだろう。標準語で喋ると、頭の中身も標準語になってしまうから。おそらく彼にとって大阪弁は、学問や理論ではなく、自分の勘と実感を信じる『実感主義者』であるための武器なのだ。だから今回の取材のテーマを話すと困った顔になった。
「勉強かあ。勉強はあんまりしないな。まったくしないと言ってもいい。新聞も読まない。勉強なんかすると、ロクなことにならんのやないの。ウチにも国立大とか美大、さらに大学院を出た、一般的には優秀とされた子がいるんだけどね。この間、台風が来てたから『新潟に行く新幹線、大丈夫か』言うたら『大丈夫です』って。『どうして?』って聞いたら、『切符買ってありますから』だって(笑)。何不自由のない暮らしで、勉強ばっかりしてたから、自由に知恵を絞ったり工夫することができなくなってる。28歳まで大学院にいたような子を社会復帰させるには時間がかかる、28年間刑務所にいるようなもんやから(笑)」
そう言う北山さんを、心の師と仰ぐ人は少なくない。ゲーテは取材をしていて、いろんな場所で、実にいろんな人が彼の名前を口にするのを聞いた。
1:北山孝雄/北山創造研究所代表 2:飯島広昭/ドゥービー・カンパニー代表取締役 3:赤坂大輔/アーバンスタイルコミュニケーションズ代表取締役 4:中村桂太郎/グリーンシード会長 5:相羽高徳(高はハシゴ高、徳は心の上に棒が入る旧字)/グラフィクス アンド デザイニング代表取締役会長 6:近藤康夫/近藤康夫デザイン事務所代表 7:幅允孝/BACH代表取締役 8:閑野欣次/アマナ取締役 9:中島春喜/モデュラージャパン代表取締役 10:宮川直樹/ホテルアークリッシュ豊橋統括支配人 11:高島郁夫(高はハシゴ高)/バルス代表取締役社長 12:天野義久/フィジカル・ステーション代表取締役 13:武石正宣/都市環境照明研究所所長 14:仲佐猛/ナカサアンドパートナーズ代表取締役 15:小坂竜/A.N.D・クリエイティブディレクター 16:新田治郎/ジェイプロジェクト代表取締役 17:北山晋/北山創造研究所コンセプター 18:神野吾郎/サーラコーポレーション代表取締役社長 19:小池高弘/小池商事代表取締役社長 20:青木茂/青木茂建築工房主宰 21:齋藤精一/ライゾマティクス代表取締役 22:千葉秀憲/ライゾマティクス取締役 23:齋藤晴正/増田屋コーポレーション代表取締役社長 24:二本柳慶一/二本柳慶一建築研究所代表取締役