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SPECIAL INTERVIEW 本田圭佑 成功哲学を語る。そして、理想の“ホーム”とは?

SPECIAL INTERVIEW 本田圭佑 成功哲学を語る。そして、理想の“ホーム”とは?

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ミラノにある家の中で一番落ち着ける場所は書斎

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 6月某日、そのホテルに現れた本田圭佑は、待ち構えていた取材陣の目をまっすぐ見つめ、「宜しくお願いします」と頭を下げた。インタビュー会場となったのは、書棚に囲まれ、重厚感漂う「ライブラリー」という名のバンケットルーム。
 「イタリアの家にもこんな感じの書斎があります。木の机が置いてあって、本が並んでいて。家は僕にとってリラックスする場所ですが、特に落ち着けるのは書斎ですね。起きてすぐ、朝飯の前に書斎にこもって仕事をしますが、その時間がけっこう好きなんですよ。仕事内容? 日本のオフィスと電話会議をすることが多いですね」
 オフィスとは、自身が2007年に立ち上げたHONDA ESTILO。アスリートのマネージメントを行うほか、二つのジュニアユースチームを持ち、12年には幼児から小学生対象のサッカースクール、ソルティーロ ファミリア サッカースクールを開校。現在関東、関西、九州で約50校を展開するが、18年にロシアで開催されるワールドカップまでに、世界各地に300校を目指している。もちろん、海外に拠点を置く本田が直接指導することはかなわない。けれど、彼はプロデューサーとして育成方針やカリキュラムの作成に深く関わり、毎日のようにスタッフやコーチたちと練習内容などを話し合っているという。
 実はこの日も、セリエA2014/2015シーズンを終えてすぐベトナムに飛び、現地で「ソルティーロ サッカースクール・イン・ベトナム2015」を開催。子供たちにサッカーを教え、早朝帰国したばかり。現地滞在半日という強行スケジュールからも、意気込みのほどがうかがえる。現役選手でありながら、これほど子供の育成に力を入れるのはなぜだろう。
 「恩返しという気持ちが強いですね。僕は物心ついた時から、父や兄のおかげでサッカーがそばにあり、サッカーにいろんなことを教わりましたし、いろんな選手に影響を受けてここまで来られました。いわば与えてもらう側だったわけですが、20代前半くらいですかね、今度は自分が与える側にという使命感を抱くようになったんです。それも、現役時代に伝えたいと」
 彼自身、小学校低学年の時に元サッカー日本代表・釜本邦茂氏のサッカー教室に参加したことがあるという。サッカーにのめり込んでいた少年にとっては偉大な選手のレクチャーは得るものが大きかったが、参加者のなかには釜本選手を知らない子供も少なくなかった。その時、「現役選手が教える意義をビビッと感じた」というから、やはり早熟だったのだろう。それは、「ワールドカップを見たのがきっかけで世界を意識するようになり、小学校高学年の時には、『世界で一番になりたい』という強い決意が芽生えていました」という発言からもうかがえる。
 子供の時に抱いた夢を原動力にがむしゃらに走り続けた少年は、世界最高峰のクラブの背番号10までも手に入れた。ソルティーロ ファミリア サッカースクール発足に際して掲げた「夢は人を大きくする。夢は人を強くする」というメッセージは、彼の実感に他ならない。
 「実際に子供たちを教えて感じるのは、僕が言っていることが理解できないくらい小さい子たちのほうが変化は大きいということ。サッカーに限らず、どんなことに対しても可能性は無限大なんですよね。もちろん、できるだけ簡単な言葉で何をすべきかを伝えるようにしてはいますが、正直、今はわからなくてもいいから『こんなこと言っていたな』と覚えておいてくれと思っています。そのうち(言われたことの意味に)気づいて、パンッとはじける時が来るから。それは、自分のためだけでなく他人のためにという気持ちが芽生えた時とか、人間として先に進んだと感じた時なんだろうという気がします。そこで、僕が言ったことを思い出してくれれば、素晴らしい方向に行けるんじゃないかと……。僕が子供たちに教えたいのは、夢に到達するためのプロセスや考え方。サッカーにおける成功法は、その一例に過ぎません」
 では、夢を実現させるのに最も大切なのは何だろう。
 「難しい質問ですね、大事なことだらけなんで(笑)。でも、一つ挙げろと言われれば、迷いなくパッションだと答えます。もちろんテクニックもスキルも必要ですが、その根底にあるのはパッションですから。
 ヨーロッパに渡って確信したんですが、素晴らしい選手はみんなパッションがある。例えばカカ。彼は、才能や運に恵まれたから超一流の選手になれたんじゃなく、パッションを持ってトレーニングに励み、試合に対してしっかり準備してきた結果、世界一の選手になったんですよ。選手としての実績は自分など比べようもないけれど、成功哲学は近いと感じています。

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