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ゲーテ的早起きのススメ・早起きの時代|ビジネスの成功は早起きにあり 辣腕経営者の朝の過ごし方

ゲーテ的早起きのススメ・早起きの時代|ビジネスの成功は早起きにあり 辣腕経営者の朝の過ごし方

経営の困難に比べれば、早起きして掃除なんて楽なこと 壱番屋 創業者特別顧問|宗次徳二|Wake up at 03:55AM 夜勤の社員のために社長ができること

 午前6時。名古屋・栄の広小路通りでは、毎朝ジャージー姿の男性が清掃活動と植え込みの花の管理に勤しむ。その人物がカレーチェーンCoCo壱番屋の創業者・宗次徳二氏であることは、道行く人のほとんどが知らない。
 「毎朝平均して90分、台風が来ようが雪が降ろうが、微熱があろうが腰が痛かろうが、毎日やる。毎日続けないと意味がないですよ。やると決めたら100%毎日やる。それが長続きする秘訣です。こんなこと、打算や損得勘定、人から『やれ』と言われてできるものではないですよ(笑)」
 1軒の喫茶店から始まり、わずか30余年で、全国1200店以上、年商約700億円を誇る日本一のカレーチェーンにまで至った宗次氏。その人生哲学ともいうべき座右の銘はズバリ、“人生の成功は早起きに始まる”である。
 「よく『早起きは三文の得』と言いますが、私に言わせれば『早起きは3億の得。超早起き(始業4時間前起床)は30億円の得』ですよ。私の場合はお客様のアンケート葉書を読むために、超早起きを必要に迫られて始めましたが、10年、20年、30年続けた今だからわかるんです。早起きをしたから今があるんだと」

辛いからこそ続けることに意味がある

 自称・日本一の変人にして三流経営者。経営者的な夜の付き合いはせず、ゴルフや接待などで人脈を広げようともしない。ただ創業時に定めた「率先垂範」「現場第一主義」「お客様第一主義」、そして「早起き」と「掃除」の理念を貫き通し、CoCo壱番屋時代から朝4時台には出社、各店とも開店前に向こう三軒両隣に及ぶ清掃を実施するなど、地域に根差した店舗展開を全国で成功させた。
 「売り方やシステムなんてものより、“姿勢”ですよ。それがないと勢いがあっても続けることができない。もともと掃除は店を始めた当初、近隣にご迷惑をお掛けするので地域への感謝の気持ちということで行いました。早朝の掃除は、自分を律する坐禅や写経みたいな厳しさに加え、街もキレイになって挨拶も飛び交うんです。これを打算なく続けていると、周囲からの信頼も得られ、自身の時間にもゆとりが生まれるなど、数えると80個ぐらいはいいことがありますね。唯一の欠点は辛いということだけですよ(笑)」
 8年前に引退した現在も、自身が建設したコンサートホール「宗次ホール」周辺の清掃活動と自費での花の手入れを続けている。
 “決めたことは変わらずにやり続けること”。それがビジネスでも一番大事なことという宗次氏の周囲には、賛同者が集まり、現在は仲間数人で早朝清掃を行っている。
 「早起きして掃除をするなんて苦痛は、経営の困難に比べればたいしたものじゃない。“意志”があれば誰でもできますが、誰にも続けられることじゃない。即効性がなく結果もなかなか出ないから続かないんです。最初の考えをよそ見をせず貫き通せるのは1000人中1〜2人。私みたいな変わった人間が500mおきぐらいにいれば、名古屋駅までキレイな通りがつながるんですけどね(笑)」

06:00AM 宗次徳二氏

栄の広小路通り413mには、宗次氏が植えたポーチュラカ1万1000株、ハイビスカス1000株が花を咲かせる。

宗次流日めくり達人シリーズ

33年の経営者人生で実践し確信したことを言葉にした「宗次流日めくり達人シリーズ」4種には、そのすべてに早起きに関する記述が。

宗次徳二氏

Tokuji Munetsugu

1948年石川県生まれ。'74年喫茶店「バッカス」開業後、'78年にカレー専門店「CoCo壱番屋」を創業。2002年に53歳で会長職を退き、現在は創業者特別顧問。'07年クラッシックホール「宗次ホール」をオープンし代表に就任。著書に『日本一の変人経営者』(ダイヤモンド社)など。

Text=高木教雄、鼠入昌史、古澤誠一郎、村瀬秀信
Photograph=星 武志、大森 直、鞍留清隆
*本記事の内容は11年8月取材のものに基づきます。価格、商品の有無などは時期により異なりますので予めご了承下さい
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