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ビジネス
2012年02月23日公開
敏腕経営者にファッション哲学あり

敏腕経営者にファッション哲学あり

「服だけでなく佇まいまで美しくありたい」 前田新造 資生堂 代表取締役会長

 凛として繊細な、日本ならではの美的感性を体現するコスメティックアイテムによって、国内だけでなくグローバルな評価も年々高まっている資生堂。前田さんの服装には、そんな世界も注視する日本人の美意識を垣間見ることができる。
 「弊社は“美”を生業としています。その代表として見られる立場なので、服装に関しては何よりも清潔感を第一に心がけています。それに人とお会いすることが圧倒的に多いので、相手に不快感を与えないこと。そのため、全体的にはシックなものを選ぶようにしていますね」
 身体にきちんと合ったネイビーのスーツに、同じくネイビー基調のタイとポケットチーフ、そしてダブルカフスの白シャツ。クリーンで無駄のない、洗練されたスーツスタイルの腕元には、父から譲り受けて以来45年も愛用しているというシンプルなロレックスと、シルバーのカフリンクスが控えめに輝いている。
 「取締役に就任してから、カフリンクスは毎日するようになりました。かしこまったフォーマルな雰囲気があり、朝は時間がかかりますが、逆にその一連の動作によって気が引き締まるのです。先日、ある看護士さんたちの戴帽式に招かれたのですが、正式な制服はダブルカフスにカフリンクスでした。やはり格式のあるものだと知りましたね」
 身につけるものひとつひとつに細心の注意を払う前田さんのスタイルは、まさに美を追求する企業姿勢そのものといえるだろう。そうした身だしなみに対する前田さんの心配りは、なにも服装だけにとどまらない。
 「人前に出たり、人とお会いしたりする際は、立ち姿や立ち居振る舞いもなるべく凛として見えるように努力しています。座っていても、ジャケットのボタンは外しません。ファッションのルールとしては外すのでしょうが、気が緩むように感じるのです」
 日本の着物は、淑やかな所作が伴ってこそ真に美しく見える。そんな日本人らしい美意識は、前田さんのように世界へ羽ばたく日本のビジネスマンの服装にこそ必要ではないだろうか。

前田新造氏
Shinzo Maeda

1947年生まれ。慶応義塾大学卒業後に資生堂へ入社。国際事業本部アジアパシフィック地域本部長、取締役経営企画部長などを経て、2005年代表取締役社長に就任。自社ブランドの再構築に尽力し、TSUBAKI(ツバキ)やuno(ウーノ)などを大ヒットさせた。'10年にはベストドレッサー賞を受賞。'11年より現職。

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遠目には無地に見えるネイビー基調のクラシックなタイに、シルバートーンの丸型カフリンクス。ブランドにこだわりはなく様々だそうだが、デザインが見事統一されている。

凛々しくも潔い日本の美意識に通じる静謐なエレガンス 無駄がないからこそ際立つ洗練された美的センス

前田さんが若い頃から好んでいたというネイビーのスーツ。ストライプ柄の場合も、あくまで一見無地に見えるシックなものを選ぶそう。角型よりも収まりがいいという丸型のカフリンクスや、タイとポケットチーフの色柄を合わせるなど、控えめなエレガンスの演出も忘れない。
スーツ¥99,750(ヴァルディターロ/シップス 銀座店 TEL:03-3564-5547)、シャツ¥5,145(メーカーズシャツ鎌倉/SMR TEL:03-5449-7647)、タイ¥8,925、チーフ¥4,200(ともにフェアファクス/フェアファクスコレクティブ TEL:03-3497-1281)、カフリンクス¥19,950(RT バイ タテオシアン/ビームスF TEL:03-3470-3946)

前田さんが若い頃から好んでいたというネイビーのスーツ
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