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ムロツヨシ カッコ悪い捨て身の営業

滝川クリステル いま、一番気になる仕事
喜劇役者 ムロツヨシ

「いろんな表情をください」という無茶振りに、シャッター音に合わせてどんどん表情を変えてくれるおふたり。

ムロ 小劇場界隈の人間が集まる飲み会に行って、とにかく「僕を使ってください」と売り込む。それをほぼ毎晩やってましたね。「カッコ悪いな」と面と向かって言われたことも何度もありましたし、凹むこともありましたが、使ってもらわないことには、何も始まりませんから。

滝川 その行動が実って、27歳で映画に初出演されるんですね。

ムロ 奇跡のように嬉しかったです。でも続けて仕事が来るわけでもなかったので、引き続き営業をしながら、32歳で『muro式』という舞台を立ち上げました。自分が芝居しているところを見てもらう場をつくらなきゃ、と。芝居の楽しさに気づいたのも、この頃だったかもしれません。喜劇役者の話につながるんですが、人が笑ってくれることにやりがいを感じられるようになったというか。最初は空席だらけでしたけど、テレビに出させてもらうようになって少しずつ興味を持ってくださる方が増え、3年くらい前に初めて満席になりました。来年の春で10年目になります。

滝川 それだけ続けてこられた理由、ムロさんの演技の強みって、何だと思いますか?

ムロ 自分発信で失敗した数、惨めな思い、さんざんスベった恥ずかしい思いは、同じ年代の役者さんには負けないくらいしているつもりです。「もっと出せ」と言われるだけ、さらけ出してみせる。そこですかね。

滝川 今まさに自分の力で好きな仕事をされていますが、言われて嬉しかった言葉って、何かありますか。褒め言葉とか。

ムロ うーん。パッと浮かんだのは、小学校3年から一緒にいる友人です。そいつ、いっさい褒めないんですよ。何も変わらない。「どうせ一生やるんだろ、もっと上を目指すんだろ」って思ってくれてると、勝手に解釈してるんですけど。それが嬉しいのかもしれない。つまらない芝居は見せられないなと思います。

滝川 ずっと黙って見守ってくれている存在なんですね。小学校3年からって長いなあ。

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Text=藤崎美穂  Photograph=Ryugo Saito  Styling=吉永 希、森川雅代(ムロさん)  Hair & Make-up=野田智子、池田真希(ムロさん)

*本記事の内容は17年7月取材のものに基づきます。価格、商品の有無などは時期により異なりますので予めご了承下さい。 14年4月以降の記事では原則、税抜き価格を掲載しています。(14年3月以前は原則、税込み価格)