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さだまさしの度肝を抜いた熊本のバー

酒の渚 さだまさし
『ぷれいやぁず』(1) 博打の横顔

ある時、カウンターにしつらえられたギネスの生ビールサーバーから旨そうにビアグラスに注いで、僕の目の前に置きながらふと、マスターが言った。

「まさしさんは博打は好きですか?」

「博打はしないですねえ」

するとマスターは言った。

「では丁度よい。人間同士の博打には必ずイカサマという『横顔』があることをお教えしておきましょう」

「博打の......『横顔』ですか?」

「全ての博打がそうだとは申しませんが、たとえばカード、たとえばサイコロ。この勝負ではあなたは僕には絶対に勝てません」

「え? 絶対ってあるんですか?」

「ではまず、ポーカー・ゲームで勝負しましょうか」

今日出会った見知らぬお客も一斉に乗り出すようにこちらを見ている。 

新しいカードを出し、僕に渡して、確認したら好きなだけ切りなさいと言う。

もう、両手でめちゃめちゃに切ってテーブルに置くと、

「では今から私が片手で三度切ります。そのあと、あなたがもう一度片手で切って下さい。二度でも良いですよ」 

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Illustration=粟津泰成(YASUNARI AWAZU)

*本記事の内容は17年6月取材のものに基づきます。価格、商品の有無などは時期により異なりますので予めご了承下さい。 14年4月以降の記事では原則、税抜き価格を掲載しています。(14年3月以前は原則、税込み価格)