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第三回:歴史を愛でる時計たち

今年は例年以上に"アニバーサリー"や"復刻"が多かった。既に多くの人から評価されてきたデザインは、現代の感覚で見ても美しい。新品でありながら、ビンテージウオッチの貫禄があり、しかもこれ以上"古く"なることはない。長く愛し抜ける時計たちだ。

復刻モデルの魅力とは?

ゲーテ編集・池上雄太(以下、池上) 今年も復刻モデルが多かったですね。どうしてですか?

時計ライター・篠田哲生(以下、篠田) 最大の理由は「手堅い」ってことだろうね。スイス時計業界はそれほど景気がよくない。特に世界最大の香港市場の減退が酷いので、時計メーカーとしても冒険しにくいのでしょう。あともうひとつの理由は「売れる」というのもある。単純に魅力的なんですよね。復刻モデルって。

ゲーテ編集長・二本柳陵介(以下、二本柳) 今年はやっぱりオメガだよね。1957年に誕生した3つのモデルを復刻させた「オメガ 1957 トリロジー」がよかった。

オメガ スピードマスター、シーマスター 300、レイルマスターの60周年を記念した限定モデル「1957 トリロジー リミテッド エディション」

篠田 「"オメガ 1957 トリロジー"シーマスター 300 マスター クロノメーター 60周年リミテッドエディション」「"オメガ 1957 トリロジー"レイルマスター マスター クロノメーター 60周年リミテッドエディション」「"オメガ 1957 トリロジー"スピードマスター 60周年リミテッドエディション」をセットにしたスペシャルボックスは即完売。各モデルも限定生産なのでほとんど残っていないとのこと。まあ、このできなら当然でしょうね。

池上 やっぱりすごいんですか?

篠田 復刻モデルは"どこまで復刻するか"という問題が常にある。防水などのスペックが現代に合っていない場合が少なくないからね。今回の「トリロジー」の場合は、ミュージアムピースをデジタルスキャナーにかけて、外装のサイズやデザインを完璧に再現した。時計の数カ所に使われている"Ωマーク"が全部微妙に違っているという、ある種のエラーまで再現したというのは素晴らしいですよ。

二本柳 それなのに、そのうち2モデルはムーブメントが最新のマスター クロノメーターキャリバーだしね。しかも「スピードマスター」はオリジナルモデルに使用されていたムーブメントの流れを汲む手巻き式でしょ。見事ですね。

池上 3モデルのなかではどれがお薦めですか?

篠田 「レイルマスター」かな。耐磁時計として生まれたモデルだから、今回、耐磁性能に優れたマスター クロノメーター化したというのは、復刻でありつつ正常進化でもありますから。そういう意味では、タグ・ホイヤー「オウタヴィア ホイヤー02 クロノグラフ」もよかった。1960年代のレーシングクロノグラフの復刻ですが、ムーブメントは最新のCal.ホイヤー02ですからね。

二本柳 "単にデザインを再現しました"では、ちょっとモノ足りなくなってきたってことかな。

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Text=篠田哲生

*本記事の内容は17年5月取材のものに基づきます。価格、商品の有無などは時期により異なりますので予めご了承下さい。14年4月以降の記事では原則、税抜き価格を掲載しています。(14年3月以前は原則、税込み価格)