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第二回:王道ブランドは、やはり手堅い

ブランドビジネスは
どうあるべきなのだろうか?

ヴァシュロン・コンスタンタン「レ・キャビノティエ・セレスティア・アストロノミカル・グランド・コンプリケーション3600」

篠田 ヴァシュロン・コンスタンタンがSIHHで発表した新作には驚いたよね。メインとなるのが、同社のユニークピース工房である「アトリエ・キャビノティエ」で作った、23個の複雑機構を搭載する「レ・キャビノティエ・セレスティア・アストロノミカル・グランド・コンプリオケーション 3600」と、ブランド初のグランソヌリウオッチ「レ・キャビノティエ シンフォニア・グランソヌリ 1860」。どちらも1本のみで、価格も不明。さらには工芸技法を取り入れた「メティエ・ダール・コペルニク・スフェール・セレスト」も豪華な天文時計。通常、こういうモデルはこっそりと作られて、そのままオーナーに納品されるのだろうけど、それをドーンと発表してくれるのは嬉しい。

池上 ヴァシュロン・コンスタンタンだからこそ可能?

篠田 そうでしょうね。この出し惜しみしない感じがいい。

二本柳 でも買えそうなのほとんどモノがない(笑)。全部時価ですよ。寿司屋だね。

篠田 ヴァシュロン・コンスタンタンというブランドの格を考えると、超ハイコンプリで勝負するという潔さが気持ちいい。そのあとに「ケ・ド・リル」で100万円代のモデルをリリースしたけど。これだってハイエンドモデルがしっかりと存在しているからこそ、そんなすごいブランドが作った時計であるということで、一般的なモデルに対する信頼感も増すからね。

池上 バランスよくまとまっているだけじゃ、ブランドの深みが出ないですよね。むしろ過剰なモデルがあるからこそ、心に引っかかるというのは事実ですね。

篠田 新ブランドという点では、ぜひグランドセイコーには頑張ってほしいね。

二本柳 そうだよ! 今年から独立したブランドだもんね。

池上 注目すべきは、1960年製の初代モデルの復刻「初代グランドセイコー リミテッド コレクション2017「復刻デザイン」」ですよね。これは綺麗でした。ケースは3種類ありますけど、どれが好みですか?

篠田 そりゃもちろん、プラチナでしょ。初代モデルはゴールドのイメージが強いけど、実は極少数だけプラチナモデルを作っていた。つまりこれも"正統派"なんだよね。

二本柳 今後はどういうブランドに育っていくのかな? 

篠田 まずはグランドセイコーとは何か? というストーリーを日本だけでなく世界に発信する必要がある。既に品質は最高レベルにありますから、ブランドストーリーを知ってもらうことがとても大切になるでしょう。

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Text=篠田哲生

*本記事の内容は17年5月取材のものに基づきます。価格、商品の有無などは時期により異なりますので予めご了承下さい。14年4月以降の記事では原則、税抜き価格を掲載しています。(14年3月以前は原則、税込み価格)