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がんになって考えたこと。坂本龍一

がんになって考えたこと。
坂本龍一の養生訓

命には限りがある。与えられた時間には限りがある。そのことをがん体験によって強烈に再認識した坂本龍一さんが新作を発表した。がん体験による音楽との向き合い方の変化を今、実感している。

「20年以上カラダに気を遣ってきて、まさか自分が
がんになるなんて思いもしませんでした」

「完成した作品が愛おしくて、誰にも聴かせたくなくてね。発売日まで自分だけのものにしておきたかった。こんな気持ちになったのは初めてのことです」

坂本龍一さんの新作『async』は、一曲目の「andata」の最初の一音からピアノが情緒的に響く。3月29日のリリース日まで、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、ネット......どのメディアにも内容の情報を提供しなかった。

事前プロモーションを行わないので、誰の称賛も、あるいは批判も、聞こえてこない。作品は完全に自分だけのものだった。

「このアルバムは2014年に準備は始めていたんです。ところが中咽頭(ちゅういんとう)がんで休養を余儀なくされ、制作を休止しました」

  • Ryuichi Sakamoto
    1952年東京都生まれ。78年ソロデビュー、YMO結成。『戦場のメリークリスマス』で英国アカデミー賞、『ラストエンペラー』でアカデミーオリジナル音楽作曲賞、グラミー賞受賞。現在は、森林保全活動「move trees」、脱原発啓蒙イベント「NO NUKES」、そして、「東北ユースオーケストラ」音楽監督での被災地復興活動など、社会的な問題にも携わる。

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Text=神舘和典 Photograph=角田みどり Hair & Make-up=YOBOON

*本記事の内容は17年4月取材のものに基づきます。価格、商品の有無などは時期により異なりますので予めご了承下さい。14年4月以降の記事では原則、税抜き価格を掲載しています。(14年3月以前は原則、税込み価格)