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松浦が仕掛けるアーティストの投資契約

素人目線 松浦勝人の生き様
──僕が投資すべきビジネス──

僕の時代はそうではなかった。起業の資金だって自分で用意しなければならなかった。エイベックスの起業資金は、ひとり40万円、4人で160万円から始まった。それしか用意できなかった。自宅を抵当に入れて親にお金を借りてもらうとか、ギリギリのところで起業した。起業をしても、運転資金を調達するために、国民金融公庫とか信用保証協会とか、そういうところを回らなければならない。ジャスダック市場なんてない時代だから、上場するというのは今よりもずっと大変で、夢物語でしかなかった。今日を黒字にし、明日も黒字にするということを繰り返して、少しずつお金を貯めていって、それでようやく事業を拡大することができる。

たまに大金を投資してくれるというエンジェル風の人が現れるけど、よく調べてみたら、会社の乗っ取りが目的のデビルのような連中ばかり。そういうなかを潜(くぐ)り抜けて、ようやく上場に成功した時、ある人から「なんで株を全部売ってエグジットしないの?」と聞かれた。反射的に僕は「そんな無責任なことできない」と思った。僕にとっては、それが当たり前の感覚。

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でも今の若手経営者の感覚は、僕とは全然違う。違うからって、否定するつもりはない。それが"今"なんだと思う。それどころか、正直羨ましいとすら思う。

でも、変わっていないのは、"人"が重要だということ。投資先を決める時に、事業内容や将来性はもちろんだけど、それと同じぐらい重要なのが、経営者本人の"人"。なにがなんでも期待を裏切らないという骨のあるやつに投資したくなる。

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Text=牧野武文 Photograph=有高唯之

*本記事の内容は17年3月取材のものに基づきます。価格、商品の有無などは時期により異なりますので予めご了承下さい。 14年4月以降の記事では原則、税抜き価格を掲載しています。(14年3月以前は原則、税込み価格