ウェブゲーテは日経電子版とのコラボレーションサイトです

嶋浩一郎、滝藤賢一が推す文学と映画

文学と映画に学ぶ
「男前」の美学

<選者>
俳優 滝藤賢一

男前とは、色気と責任、そして、ギャップ

「"俳優は遊ばないと色気が出ない"。昔から言われる粋なフレーズですが、僕は仕事が終わると一直線に家へ帰ります。40歳、4人の子を持つ親としては、"愛する家族を守る男"に憧れるし、美学を感じるからです。

トニー・スコット監督は、そんな男が惚れる男前を描く達人です。彼の作品の男たちは、自分のやるべきことに迷いがない。例えば『ラスト・ボーイスカウト』のブルース・ウィリスは身なりも汚く、ひねくれていて暴力的。冴えないオヤジですが、無骨な感じが堪らなくセクシーで男前! またチャウ・シンチー監督作品の男たちは、ふざけまくっているのにやる時はきっちりとやる。そのギャップにも男前を感じるし、そんな男を目指したいですね」

(左上から順に)
『マイ・ボディガード』
トニー・スコット 監督/松竹

「こちらもトニー・スコット監督作。デンゼル・ワシントン演じる米軍対テロ部隊出身の元軍人が、メキシコで少女のボディガードとなります。少女を守り抜くワシントンの、執拗に追い詰めていくさまが凄まじい」

『ラスト・ボーイスカウト』
トニー・スコット 監督/ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント

「シークレットサービスから転落し、しがない私立探偵となった男の再生劇。ブルース・ウィリスの『ダイ・ハード』シリーズはすべて好きですが、本作も僕のベスト3に入る作品。最後のジグを踊るウィリスに痺れます!」

『トゥルー・ロマンス』
トニー・スコット 監督/ワーナー・ブラザース ホームエンターテイメント

「今回は無差別に選んだつもりが、気づくとトニー・スコット監督作ばかり。本作はQ.タランティーノ脚本の映画化であり、デニス・ホッパーとクリストファー・ウォーケンの名シーンは、滝藤映画史に刻まれています」

『切腹』
小林正樹 監督/松竹

「小林正樹監督の代表作。妻子を守るための狂言で命を失った婿のため、井伊家にひとりの男が乗りこんでくる。そんな主人公役の仲代達矢さんは当時29歳でしたが、50歳くらいの浪人を演じ、壮絶な立ち回りを見せます」

『カンフーハッスル』
チャウ・シンチー 監督/ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント

「香港を代表する喜劇俳優、監督のチャウ・シンチーの出世作。彼が演じる主人公は貧しさから、冷酷非道の黒社会に憧れます。何でもないただのスケベな宿屋の親父が、実は太極拳の達人。このギャップにやられました」

Let’s SHARE:

共有

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • この記事をmixiチェックに追加
  • この記事をLinkedInに追加
閉じる

Direction=島田 明 Text=竹石安宏(P1)、金原由佳(P2) Photograph=隈田一郎

*本記事の内容は17年3月取材のものに基づきます。価格、商品の有無などは時期により異なりますので予めご了承下さい。 14年4月以降の記事では原則、税抜き価格を掲載しています。(14年3月以前は原則、税込み価格)