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山中伸弥「研究者魂 経営者脳」Study7

「研究者魂 経営者脳 ~iPS細胞実用化を目指して~」
文・山中伸弥

Study7「日本とアメリカの研究サポート体制の違い」

科学のトップランナーたる日本の地位が危ない

先日、世界的な科学誌『ネイチャー』に衝撃的な記事が載りました。科学研究において、日本からの論文発表数が減少していることなどから、科学のトップランナーとしての日本の地位が危ない、という記事でした。たしかに、残念ながら日本の研究者は、本来の研究以外の仕事に追われすぎています。私も、これでは創造性のある研究が生まれにくいと考えています。

医学研究の現場には、企業などとの共同研究契約書の作成、研究成果が出た時の特許申請、その成果を多くの人に知らせるための情報発信等、研究以外にもたくさんの重要な仕事があります。実験動物の世話も大切な仕事です。これらをすべて研究者がこなすとなると、研究のスピードは格段に落ちます。私はかつて、米国留学から帰国して、そうした日本の研究環境の違いに苦しみ、うつ状態になりかけました。だからこそ、研究者が研究に集中できる環境を整えたいといつも思っています。

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Illustration=松本孝志

*本記事の内容は17年4月取材のものに基づきます。価格、商品の有無などは時期により異なりますので予めご了承下さい。 14年4月以降の記事では原則、税抜き価格を掲載しています。(14年3月以前は原則、税込み価格)