ウェブゲーテは日経電子版とのコラボレーションサイトです

滝藤賢一が20年憧れ続ける男たち『T2』

滝藤賢一の映画独り語り座 Vol.27

20年経っても変わってねー!
最高にカッコいいぜ!!

『T2 トレインスポッティング』

  • 『T2 トレインスポッティング』
    2017年/イギリス
    監督:ダニー・ボイル
    出演:ユアン・マクレガー、ユエン・ブレムナー、ジョニー・リー・ミラー ほか
    配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
    4月8日より丸の内ピカデリーほかにて公開

アカデミー賞が発表されて1カ月、話題の受賞作が数々日本公開を控えるなか、滝藤もババーンとノミネート作品を紹介しようと思っていたんです。しかし、どうしてもこれを選ばざるを得なかった......。出てくるあいつらは相変わらずダメ男で、どうしようもない人生を送っている。でも、20年前に作られた『トレインスポッティング』には僕が"カッコいい"と感じるものすべてが詰まっている、いわばバイブル的存在。だから今回はその続編『T2 トレインスポッティング』を語らずにはいられないのです!

前作が公開された1996年は、アートシネマの全盛期。今はなき、渋谷のシネマライズが光り輝いていた時代。そこで買った『トレスポ』のド派手な銀色のパンフレットは今でも大事にとってあります。劇中での彼らのファッションは、とことん真似しました。ある日はスリムなジーンズにコンバース、チビTを着てレントン風。またある日には、髪を刈り上げて襟の大きなキラッキラの開襟シャツにクリスチャン・ディオールの赤い眼鏡をオーバーサイズでスパッド風。ある日は、アーガイルのセーターに口髭を蓄え、ビールジョッキ片手にベグビー風。彼は今作でも着ていましたよ、アーガイルのセーター(笑)。名古屋から上京したばかりの頃、東京にどっぷり溺れていた僕に、この映画がファッションと音楽のカッコよさを教えてくれた。お金もないのに映画館で2回観たのは、後にも先にもこの作品だけ。 

文化不毛のスコットランドで、若者たちが馬鹿みたいに遊びに興じている。音楽とサッカーさえあればとりあえず幸せ。でも、この底なし沼から抜け出したい。あの躍動感に満ちた前作に比べて今回の『T2』。相変わらずまともじゃないし、尖っている。だけどみんな年をとっているぶん、観ていてなんだか痛い......。彼らより、まっとうな人生を送ってきたことにホッとしながらも、普通のオトナになってしまったことが少し寂しくもありました。20年前の自分に会ってみたくなる、まさに同窓会のような映画です。

  • Kenichi Takitoh
    俳優。1976年愛知県生まれ。4月17日放送開始ドラマ『貴族探偵』(フジテレビ系)に出演。公開待機作に映画『関ヶ原』など。

>>またまたやってくれました。『セッション』の衝撃再び!
 >>アカデミーの歴史をぬりかえる鬼才 デイミアン・チャゼル
 >>滝藤賢一の映画独り語り座『セッション』
 >>滝藤賢一の映画独り語り座 2016年アカデミー賞『リリーのすべて』

Let’s SHARE:

共有

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • この記事をmixiチェックに追加
  • この記事をLinkedInに追加
閉じる

Composition=金原由佳

*本記事の内容は17年3月取材のものに基づきます。価格、商品の有無などは時期により異なりますので予めご了承下さい。 14年4月以降の記事では原則、税抜き価格を掲載しています。(14年3月以前は原則、税込み価格)

NOW ON SALE GOETHE GOETHE8月号
全国書店で発売中!

RANKING

INFORMATION