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参謀が語る実現する男、孫正義とは?

怒濤の8年間を支えた参謀が語る
孫正義の正面突破力

実はボーダフォン買収にはもうひとつ重要な布石が。それがジョブズと孫氏が交わした約束だ。2004年にモバイル機能のついたiPodのスケッチをジョブズに提案した孫氏。もう自分のスケッチがあるからいらないと言うジョブズに「ならば、それを日本用に欲しい」と交渉したという。ジョブズの答えは明快だった。「まだ何もできていないが、最初に来た日本人は君だ。完成したらあげよう」それが2008年のiPhone日本独占販売にいたったストーリーなのだ。

「そこからが挑戦する人のすごさ。孫さんはそのひと筋の光を望みに未来を描き、iPhoneの発売から逆算し、ボーダフォンというキャリアを買ったんです」

気づけば10年という単位で、必ず大きな挑戦をしている孫氏。ヤフーに100億円投資し、インターネットの時代を開いたのが1996年。2006年にボーダフォン買収で携帯電話事業に参入し、10年後の2016年に、イギリスの半導体設計大手アーム・ホールディングスを買収した。しかし「2016年の決断は96年、06年とはちょっと違う」と嶋氏は言う。

「これまでは社会のパラダイムシフト、いわゆる時代の転換点を見定めてその時を捉えた戦略。でも今回の買収はIoTの時代を開くという、彼が初めて自らパラダイムシフトを起こそうとしている。まさに彼の新たな挑戦ではないかと思っています」

自らが未来をつくる、それこそがソフトバンク、そして孫氏のこれからの10年。どんな未来になるのかを期待したい。

  • Satoshi Shima
    1958年岐阜県生まれ。多摩大学客員教授。名古屋大学卒業後、松下政経塾を経て、96年衆議院議員に当選し3期9年務める。菅直人、鳩山由紀夫、岡田克也3代表の補佐役を務める。2005年、政界からソフトバンク社長室長に転身。15年より現職。

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Text=牛丸由紀子 Illustration=澁谷玲子

*本記事の内容は16年2月取材のものに基づきます。価格、商品の有無などは時期により異なりますので予めご了承下さい。 14年4月以降の記事では原則、税抜き価格を掲載しています。(14年3月以前は原則、税込み価格)

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