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「星のや」海外へ 星野代表の挑戦物語

唯一無二の挑戦STORY
星野佳路(星野リゾート代表)

ディナーには随所にバリの技法や演出をとり入れた新しいバリ料理「コンテンポラリーバリニーズ」を提供。

集落のようにレイアウトされたすべてのヴィラから直接入ることのできる運河プール。

国内視点も忘れず
世界を見据える会社に

そして中国企業のオーナーと仕事をするようになり、学んだことも大きかった。

「日本人が持つ質素倹約を美徳とするワビサビ的感覚は、中国では通用しないことがあります。自社の規模を示すために、イベントや国際会議は派手にしないとダメだという考えもあるのが中国。一方で現在の日本は皆が将来に対する不安を抱えています。人口減少、世界でのプレゼンスの低下、母国衰退を予測し、不安に思っているんです。中国にそういう不安感はゼロ。『中国はもっとよくなるし、みんなが強くなるからプレゼンスもどんどん上がるはず。だったら早く行かなきゃ』と、どの企業も自分が先に手を出さないと損と考えています。だからリスクの取り方も大胆さも、日本とは全然違いますね。日本だけを見ていると、自分自身のマインドが硬直しがちになる。もっと世界の成長や積極性を見て、抱える課題を正しく評価していかなきゃいけない。私はそういう意味でも海外案件をどんどん進めていかないと、世界を俯瞰(ふかん)で見られる会社でなくなってしまうと感じています」 

好調な業績といえども常に先手を打つことに心を砕く。

「日本の地方都市でやっていれば、強い、安泰かというと、私たちの世界はそう甘くはない。最近では世界の大手運営会社がどんどん日本の地方都市に進出しています。ザ・リッツ・カールトンは沖縄、京都に続き、日光にも来るという噂がある。軽井沢にもマリオットが進出しました。私たちは世界に出たら後発で、まだまだ弱小の運営会社です。でも後発ながらも、国内だけに甘んじることなく、国内と並行して海外に出ていかなければいけない。海外でも国内と同じだけの業績を出せるような力を早く持たなければというのが当面のチャレンジです」 

と言いながらも、実際のところ、星野リゾートには開発会社やオーナーから声がかかっている。それらに関しては、社内の企画開発チームが検討に入っているという。

「私たちに運営を任せたいと言ってもらうためには、まず投資会社に興味を持ってもらう必要があります。そのためにもいろいろなカンファレンスに積極的に参加し、自分たちの運営ノウハウを説明しています」

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Text=今井 恵 Photograph=杉村 航

*本記事の内容は17年2月取材のものに基づきます。価格、商品の有無などは時期により異なりますので予めご了承下さい。 14年4月以降の記事では原則、税抜き価格を掲載しています。(14年3月以前は原則、税込み価格)

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