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科学とアート、スプツニ子!の妄想力

滝川クリステル いま、一番気になる仕事
アーティスト スプツニ子!

「パンクじゃないと
新しいことはできない」

スプ 人工知能に関しても、万が一、自動車の自動運転で事故が起きそうになった時、複数の歩行者を助けて自分がクラッシュするか、逆に複数の歩行者を犠牲にして自分が助かるか、どちらを選ぶかという問題もあって。同僚のイヤッド・ラーワンの研究によると、アンケートでは76%がより多くの人が助かるAIを選択するんです。でも実際に自分を犠牲にするクルマを買うと答えた人は19%。

滝川 そういう人工知能の倫理観も、これから作られていくわけですよね。知らぬまに進んでいたら、ちょっと怖いですね。

スプ だからオープンにしていきたいし、私はそういった問題も含めてアートで扱いたい。私たちが持つ倫理や価値観って、今後びっくりするくらいのスピードで変容していくと思うから。

滝川 ポジティブに考えれば、日本って人工知能とかそういう分野は得意ではありませんか?

スプ 実はそうとも言えなくて。英語よりもプログラミングの教育に力を入れたほうがいいと思います。語学はそのうち、『ドラえもん』に出てくる「翻訳こんにゃく」みたいなものができると思うから(笑)。でもプログラミングの本質の部分はそうはいきません。日本はプログラマーの数が全然足りていないんです。

滝川 そうすると、どんな弊害が考えられますか?

スプ 先日、テスラというアメリカの自動運転のクルマを、中国の研究チームがハッキングして、その様子の動画をアップしたんです。自動運転になった場合、サイバーテロ対策をしっかりしないと物凄いスケールで事故が起こりまくるかもしれない。

滝川 それを防ぐために必要なのも、やはり技術力......。

スプ 先の大統領選も、ロシアのハッカーがヒラリーのメールをハッキングした結果ともいわれ、まさにサイバー戦争です。日本はかなり意識しなければいけない問題だと思う。と言いつつ私は最近、テクノロジーうつになってたんですよ。さっきの実験マウスの話とか、卵子凍結・代理出産の生命倫理について考えたり。作品制作も毎回苦しくて、今まで300回くらい友達に引退宣言と撤回を繰り返してるんですけど。滝川さんはそういうことはないですか?

滝川 今はないかな。モヤモヤッとしたら、海外の大自然に触れて、パワーをもらって帰ってくるの。先日は『Earth Walker』という特番の取材でタスマニアに行ってきました。なぜここにはウオンバットのような有袋類(ゆうたいるい)が多く生息しているのか、そういった謎を追っていくの。

スプ 面白そう! 有袋類って、お腹にポケットがある動物ですよね。テクノロジーと合わせたら、リアルドラえもん。

滝川 さっきも「翻訳こんにゃく」が出てきましたね。

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Text=藤崎美穂 Photograph=七咲友梨 Styling=吉永 希 Hair & Make-up=野田智子、河西幸司(Upper Crust/スプツニ子!氏)

*本記事の内容は16年1月取材のものに基づきます。価格、商品の有無などは時期により異なりますので予めご了承下さい。 14年4月以降の記事では原則、税抜き価格を掲載しています。(14年3月以前は原則、税込み価格)

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