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アジア歴代トップに躍り出た爆笑映画

滝藤賢一の映画独り語り座 Vol.24

笑っていいのか泣いていいのか
チャウ・シンチー、あんた最高だよ!

『人魚姫』

(C)2016 The Star Overseas Limited

  • 『人魚姫』
    2016年/中国
    監督:チャウ・シンチー
    出演:ダン・チャオ、リン・ユン ほか
    配給:ツイン
    2017年1月7日よりシネマート新宿ほか全国順次公開

年の瀬ですね。2016年の日本の映画興行はなかなか好調だったようですが、今から紹介するのはアジアの歴代興行収入を塗り替えたNo.1作品、『人魚姫』です。

監督は『少林サッカー』『カンフーハッスル』のチャウ・シンチー。潔いほどのバカバカしさ、てんこ盛り。

今回、25億円という膨大な製作費をかけたそうですが、どこにそのお金を使ったのか......。実写とCG部分との差がとにかく雑。気持ちいいくらいになじんでいない。メインの俳優以外はどこから連れてきたのか、その辺にいる普通のオッサン・オバサン感が半端ない。もうそれだけですでに面白いのに、ワンカットごとに「これでもかっ!」というほど、ぶちまけられるギャグの応酬。それも突然、頭上にタライが落ちてくるような典型的なギャグばかり。しつこいぐらい同じことを繰り返してくるチャウ・シンチーお決まりのパターンは、ドリフ世代には堪らない!

なかでも、上半身が人間で下半身はタコの"タコ兄"には要注意! タコ兄って名前だけでも充分おかしいのに、見るほどに腹筋が崩壊する面白さ。演じている当人は真剣だから、なお面白い。この終始ふざけまくっているタコ兄が、ラストには人魚族のリーダーとして戦うんだから反則だ。格好よすぎて涙が止まらない......。笑いと涙は隣り合わせだと実感。

シンチー監督は無名の女子を発掘することでも有名です。毎回、冒頭でヒロインは垢抜けなく小汚い。でも、ラストには洗練され、演じた子は公開後には大スターとなっています。今回もそのパターンは顕在。終盤、それまでのおふざけが一変し、突然、『アバター』のように高等なメッセージのなか、人魚族VS人間の凄まじい戦いになりますが、映画を通してあからさまに説教しているのがチャウ・シンチーの食えないところ(笑)。

ああ、滝藤もタコ兄、やりたい。シンチー監督の映画には意味なく半ケツの男が出てきますが、私も日本では相当ケツを出してきた部類です。どなたか、口添えをお願いします。

  • Kenichi Takitoh
    俳優。1976年愛知県生まれ。2017年1月8日放送開始のドラマ『大貧乏』に出演。公開待機作に映画『榎田貿易堂』など。「40代はリミッターを外して、もっと仕事します!」

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Composition=金原由佳

*本記事の内容は16年12月取材のものに基づきます。価格、商品の有無などは時期により異なりますので予めご了承下さい。 14年4月以降の記事では原則、税抜き価格を掲載しています。(14年3月以前は原則、税込み価格)

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