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石原慎太郎、「鎌倉の盲点」を指摘

湘南 PART2
石原慎太郎

湘南という漠たる地方の要は何といっても日本の三大古都の一つの鎌倉に他なるまい。首都東京に間近な鎌倉は関東随一の観光地だが人口に膾炙(かいしゃ)されているようで、案外盲点のような魅力に満ちているのにそこを訪れてみても観光客に出会うことは少ない。鎌倉の名所といえばまず何といってもここに幕府を開き京都の公家どもの国家支配を覆し、この国の歴史の資質をかえてしまった頼朝の精神的拠り所だった鶴岡八幡宮だろうが、そこに向かう参道の段葛(だんかずら)という、大幅な車道の真ん中に一段高く造られた歩道は他に見られぬもので、その一区画離れて平行してつらなる小町通りは最近観光客でやたらにごったがえす体たらくでうんざりだが、あんな所をうろついて何が観光かと思わされる。折角古都鎌倉を訪れたのに一体何が満足かと疑わしい。折角足を延ばして来て訪れるならもう少し綿密な資料を手にして古都を彷徨(ほうこう)したらと思うのに。

(PART1から読む)

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Photograph=内田裕介

*本記事の内容は16年7月取材のものに基づきます。価格、商品の有無などは時期により異なりますので予めご了承下さい。 14年4月以降の記事では原則、税抜き価格を掲載しています。(14年3月以前は原則、税込み価格)

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